クリエイティブだけじゃ勝てない――学生時代のコンプレックスがもたらしたもの

入社後、最初に配属されたのは当時新設されたばかりのCMS課という部署でした。主な業務は、自社で制作したWebサイトのバグやエラーを改修すること。正直、デザイナーとして入社した身としては、もっとデザインの仕事をやりたかったのですが(笑)。それでもなんとかモチベーションを維持できていたのは、人間関係に恵まれていたからですね。現在のブランディングテクノロジーにも言えることですが、当時から能力が高く、良い意味で個性的な人たちが集まっていたので、その中で一緒に働けていることに充実感がありました。

その後、だんだんとデザインの仕事も増えていきましたが、完全にデザイナー専業というわけではありませんでした。制作部門の業務効率化や原価削減を目指すプロジェクトに参画したり、新規事業においてサービスの構築や顧客管理の設計を担当したりと、本当に多岐にわたる経験をさせてもらいましたね。

デザイナーの本分ではない仕事にも前向きに取り組めた背景には、学生時代のコンプレックスがあるかもしれません。グラフィックデザインを学んでいましたが、卓越した才能やセンスを持った人にはクリエイティブそのもので勝負しても勝てませんでした。そういう経験があったので、社会に出てからもデザイン一本でやっていくというよりは、多様な分野で得た知識や経験の合わせ技によって、自分にしかできないアウトプットを実現したいという想いが強かったのだと思います。

仕事風景01

知識は持っている分だけ安心してしまう。だからゼロにする作業が大切

大きな転機となったのは、ブランディング事業の立ち上げに携わったことですね。当社のブランディング事業は主に中堅・中小企業を対象とした、企業の“らしさ”を明確化するお手伝いをしています。この事業はこれまでに得られた知見をデザイナーとしてカタチにできる場となり、その後のキャリアを考えるきっかけを与えてくれました。

さらに、ブランディング事業で培った豊富なノウハウを活かして、2015年には「一般社団法人 ブランド・プランナー協会」の設立にも携わりました。この活動の一環として、クリエイティブデザインの観点からブランディングの考え方を伝えるセミナーの講師も担当しています。人に自分の知識や経験を伝えることの重要性を、まさに感じているところです。

組織の視点で考えるなら、知識や経験を人に伝えることには後進の育成という意味合いも当然ありますが、自分自身の成長にとっても明らかにプラスの効果を生んでいるように思います。経験や知識は持っている分だけ安心してしまうし、「自分だけが分かっている」という優越感に浸る人も少なくありません。それでは成長が頭打ちになってしまうので、普通は人に教えたくないと思うようなノウハウほど、積極的に発信するようにしています。すべて外に吐き出して自分の中の貯蓄をゼロにしてしまえば、また新しい知識や経験が欲しくなる――。これを繰り返すことで、常に新鮮な気持ちで新たなチャレンジができるんです。

※所属、業務内容は取材時時点の内容となります。

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